擦弦系の楽器たち

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★ヴィオール
ビオラ・ダ・ガンバとも言い、ルネサンス期からバロック期にヨーロッパ全土で大流行した通常6弦(バスは7弦のものもある)の擦弦楽器。「ガンバ」はサッカーなどで知られているが「ひざ」を表わす。トレブル、テナー、バスとファミリーをなし、時にもっと大きいもの(ヴィオローネ)や小さいものもあった。羊の腸を巻いてフレットにしているため、どの音も開放弦の澄んだ音がする。
映画「マラン・マレ」で有名になったが、あれはバロック期の話。カテリーナではソリスティックなものより伴奏によく使われる。

主な使用曲【トレブル・ヴィオール】:エスタンピー/なぜ/ブルゴーニュのブランル/森の小鳥/優しく美しい乙女(カテ) 【バス・ヴィオール】アルマンド/優しく美しい乙女(カテ)



★フィドル/レベック
ヴィオールよりもう少し古くからある、ヴァイオリンの先祖。もともと中近東の「ラバーブ」や「ケマンチェ」から変わっていったものと思われる。弦の数、フレットを巻くか巻かないか、大きさ形など姿形も一様ではない。「フィドル」とは「子牛のようにはねる」というラテン語の意味から来ているらしいが、弓のはねる動作を表わしたものだろう。アングロサクソン語の「フィデール」、古フランス語の「ビェール」、イタリア語の「ビオラ」は同じ流れの言葉である。
なによりも、東洋ではヴィオールのように膝に挟んで擦弦するが、西洋に渡るとバイオリンのように腕に置いたり首に挟んだりする奏法に変わる。膝に挟むのはヴィオールに受け継がれる。近年はヴァイオリンもトラッドなどでフィドルとして活躍している。

主な使用曲:旅する楽隊/空想の船/目を覚ませジグ/ジンタ(ジグ)


★ハーディ・ガーディ
ハンドルを回すと木の円盤で弦を擦り、ボタンのような鍵盤で弦を押さえて旋律が鳴る。他の数本の持続弦(ドローン弦)は5度と4度に調弦され、時にリズミックなノイズを出し伴奏する。音としてはバグパイプのイメージに近い。特に放浪の大道芸人がよく使用した。今でもフランス、ハンガリーなどの国の伝統楽器として使用されることが多い。


主な使用曲:ドゥクチア(ガラン)インスピレーション(ジグ)カレンダマアーヤ(カテ)オーン/夕焼け行進曲(雑想)【シンフォニア】輝く星よ(カテ)

音と演奏写真⇒♪


★ボウド・プサルテリー
プサルテリウムを弓奏にしたもの。この楽器は現代になってフランスのトラッドや教育楽器としてよく使われてきた。この楽器のような三角形の弓奏プサルテリーが中世の時代にあったかどうかは解らないが、似たタイプの弓奏楽器は確実に存在したものと思われる。「ライヤー」や「クルース」という楽器も似たようなタイプと言えるだろう。


主な使用曲:風の歌/緑の妖精たち(ガラン)ジンタ(ジグ)森の小鳥(カテ)幻の街

音と演奏写真⇒♪

 


★トロンバ・マリーナ
「海のトランペット」という意味を持つと言われるが、真意はわからない。メロディを弾くというよりもドローン楽器で、実際には弦を押さえずハーモニックスの音のみ。ハーディ・ガーディと同様に饗板を叩いてノイズが出る仕組みになっている。

主な使用曲:ゲルニカ(雑想)


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